千葉県知事から子宮頸がん(HPV)ワクチンに関して

千葉県の熊谷知事は7日の定例会見でこう述べています。youtube 令和4年4月7日千葉県知事定例記者会見 30分25秒あたりから34分30秒あたりまで
・子宮頸(けい)がんワクチン(HPVワクチン)の接種に関し、
 「開始当時、千葉市長として大きな定期接種をして期待していた。」
 「諸外国と比べて、十分な検証もなく積極的勧奨をやめるのに非常に驚いた。」
 「遅きに失したと思うが、積極的勧奨が再開することを国が決めたことは感慨深い。決してこの空白を忘れず、将来の発症リスクを持つ方々を作ってしまったことの総括は、全ての関係者が行わねばならない」
 「この国はワクチン後進国ですね。いろんな意味で」
 「本来のパーセンテージを取り戻すことができれば発症リスクは一定程度抑制できるであろう。」

yahooニュース千葉知事、HPVワクチン勧奨再開で「総括を」と苦言

もともとのツイートでは3月30日に
理解不十分な記事をきっかけに反対が広がり、積極勧奨が停止されたのが実態
HPVワクチンを巡る騒動は、科学がマスコミに負けた苦い教訓となり、その後の医療関係者の積極的な情報発信や説明にも繋がっています。

 まさに当時、第1報としてテレビを見た方が多かったと思いますが
 科学的検証もなく、ただ、個人的な感想を述べていくというマスコミの主張。
 個人のインタビューをとってきて切り取って、さも大衆の意見と言い換えているようにしか見えませんでした。
 日本のマスコミはワイドショー主体であり、ニュースは横並びでほぼ一言一句同じです。
 
 何がただしくてなにを基準にするかというのはすごく難しいと思いますが
 そのなかで選択していくにはまず情報を得なければなりません。
 その情報がたくさんあふれている中で少しでも”良質”な情報を提供できるように考えていければと常に思っています。

当院でもHPVワクチン接種を行っております。

 論点

・ワクチンの副反応での死亡はほぼないが、
 子宮頸がんでは死亡もあり、場合によっては妊娠の中断・女性器の摘出などの女性としての機能を考えなければならないこともあります。
・ワクチン以外で防ぐ方法は子宮がん検診であるが、婦人科に2年に1回行かなければ効果に乏しい。(若いほど進行が早いことが多い)
  実際に受診率は非常に悪い(20代で26%)
・感染経路が性交渉であるため、男性にも積極的に接種している国もある。
  性行為感染症(STD)の基本は男性も女性も同時に対応することです。
  (日本は以前、中学生女子のみに風疹ワクチンを接種して、結局感染制御を行えませんでした。)
・感染経路が性交渉であるため、適正年齢になる前に接種がのぞましい。
  思春期ではなくもっと前に打つことを考慮してもよいのではないか。(B型肝炎ワクチンのように)
・日本の定期接種では2価と4価ですが
 世界では9価のワクチンも発売されております(2014~)。日本でも自費で接種できるようになりました(2020~)。
 肺炎球菌も7価→13価になっています。

 

参考論文など
 ・HPV(ヒトパピローマウイルス)感染症予防接種 千葉市
 ・ 「日本の女性を子宮頸がんから守るための声明」 日本産科婦人科学会など
 ・Potential for cervical cancer incidence and death resulting from Japan’s current policy of prolonged suspension of its governmental recommendation of the HPV vaccine
  Scientific Reports volume 10, Article number: 15945 (2020)
  HPV ワクチン接種率の激減によって増加する子宮頸がん罹患・死亡者の推計人数(日本語で)
 ・The projected timeframe until cervical cancer elimination in Australia: a modelling study
  Hall MT ら. Lancet Public Health. 2018 Oct 1. DOI:https://doi.org/10.1016/S2468-2667(18)30183-X
  オーストラリアにおける子宮頸がんの撲滅までの予測される時間枠

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