⽇本の⼥性を⼦宮頸がんから守るための声明

 日本産科婦人科学会は、日本産婦人科医会と連名で「日本の女性を子宮頸がんから守るための声明」を発表されました。日本は残念ながらワクチン、予防接種というものに関して学術的でない議論が行われてきました。少しでも変わっていけばよいと思ってます。
 以下のような機会もありますので参考にしていただければ幸いです。

■市民公開講座2021「with コロナ時代の大人と子どものワクチン」
~今こそ知ろう、コロナとワクチン~子宮頸がんを防ぐためには(会場・Web)

日 時 :11月3日(水・祝)午後1時~3時(午後0時半開場)
場 所 :千葉市生涯学習センター 2Fホール
演 題 :「正しい知識があなたを守る!社会で必ず役に立つ、性のお話」
講 師 :髙橋 幸子 氏(埼玉医科大学医療人育成支援センター・地域医学推進センター・産婦人科)
【その他主な演題】
 千葉市小児科医会から(子どもたちの生活面の留意点) / 千葉県疾病対策課から(感染症やワクチンの情勢) /私たちからのメッセージ(当事者・患者会の立場から)/渕上直樹さん(子宮頸がん当事者のご家族)/千葉市医療政策課から(感染症やワクチンの情勢)/フロア・webからの質問・発言/まとめ
   (↑クリックすると動画が見れます。)
共 催:千葉市小児科医会、千葉県保険医協会
後 援:千葉県、千葉市

 要約

・子宮頸がんの原因の一つにHPV(ヒトパピローマウィルス)があり、発症のかなりの割合を占めている
・世界の国でワクチンを導入することによって発症率は大幅に下がっている。
・日本では子宮頸がんが、毎年4000人ずつ増え続けて、年間1000人が死亡している。

 論点

・ワクチンの副反応での死亡はほぼないが、
 子宮頸がんでは死亡もあり、場合によっては妊娠の中断・女性器の摘出などの女性としての機能を考えなければならないこともあります。
・ワクチン以外で防ぐ方法は子宮がん検診であるが、婦人科に2年に1回行かなければ効果に乏しい。(若いほど進行が早いことが多い)
  実際に受診率は非常に悪い(20代で26%)
・感染経路が性交渉であるため、男性にも積極的に接種している国もある。
  性行為感染症(STD)の基本は男性も女性も同時に対応することです。
  (日本は以前、中学生女子のみに風疹ワクチンを接種して、結局感染制御を行えませんでした。)
・感染経路が性交渉であるため、適正年齢になる前に接種がのぞましい。
  思春期ではなくもっと前に打つことを考慮してもよいのではないか。(B型肝炎ワクチンのように)
・日本の定期接種では2価と4価ですが
 世界では9価のワクチンも発売されております(2014~)。日本でも自費で接種できるようになりました(2020~)。
 肺炎球菌も7価→13価になっています。

 

参考論文など
 ・HPV(ヒトパピローマウイルス)感染症予防接種 千葉市
 ・ 「日本の女性を子宮頸がんから守るための声明」 日本産科婦人科学会など
 ・Potential for cervical cancer incidence and death resulting from Japan’s current policy of prolonged suspension of its governmental recommendation of the HPV vaccine
  Scientific Reports volume 10, Article number: 15945 (2020)
  HPV ワクチン接種率の激減によって増加する子宮頸がん罹患・死亡者の推計人数(日本語で)
 ・The projected timeframe until cervical cancer elimination in Australia: a modelling study
  Hall MT ら. Lancet Public Health. 2018 Oct 1. DOI:https://doi.org/10.1016/S2468-2667(18)30183-X
  オーストラリアにおける子宮頸がんの撲滅までの予測される時間枠

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